巻頭言

2018.02.01
巻頭言

2018/2/1 ベスト2月号 巻頭言を掲載しました

2018年年頭随想
新年・・・かけがえのない節目
~志の力~

株式会社日本公法 代表取締役社長
麗澤大学名誉教授
元中国管区警察局長
元警察庁教養課長
元警察大学校教官教養部専門講師
大貫 啓行

新年あけましておめでとうございます。
皆さんそれぞれのご家族とおそろいで新たな一年を迎えられたことと思います。
心からお祝い申し上げます。

365日、同じ24時間ということでどの日も同じと言えば同じなのだが・・・新年は大きな節目に当たるように思う。季節の繊細な変化を感じながら生きてきた日本人には冬の寒さは格別のものであり、新たな出発点としての元日は神々しくさえ感じられるのではないだろうか。深淵という、普段とは違った節目を借りて、普段とはいささか異なった趣の時をもってみるのも悪くない。

年頭に当たって2018年という新たな年に対する思いを深めておくことを呼びかけたい。少々大げさに言えば、この一年をいかに生きるかを考えるということだ。僭越(せんえつ)ながら、この際、私のささやかな警察官としての経験からいくつかのアドバイスを記させてもらいたい。少々固い内容になるが、いささか先輩であることをもってお許し願いたい。

まずは、皆さんの志はなんだ・・・という問いを心に思い浮かべることから始まる。志とは生き方と言い換えてもいい。志は頑張りの源泉。警察官としての志は、厳しい任務に立ち向かう頑張りのエネルギーの元になる。言い換えれば、警察学校の門を初めてくぐった時の心の高まりの中で決意したことは何なのかを、改めて思い出す事から始まる。
悪を許さない。弱者を助ける。人の役に立つ。署長になる。親孝行をする。百人いたら百通りの決意がある。それを忘れない。勿論変化する。変化は変化でいいのだ。むしろ変化することはいいことだ。どう生きるかを真剣に考えた結果なのだから。新年に当たって、どう生きるのかと自らに問いかけたい。そして真剣に生きるのだ。そうした節目がこの年の初めということ。

次に、先輩の後ろ姿に学ぶ。警察官としてのあるべき姿は先輩の中に模範がある。志を考える際に一番参考になるのは、尊敬できる先輩を心に思い描くことを勧める。思い描いた先輩に一歩でも近づけるように努力することだ。そうした先輩を常に心に思い描いて、先輩ならどうするのかを自らの考える尺度にするのだ。逆境は進化のチャンス。逆境で大きく成長する。警察官の仕事を含め様々な困難に遭うだろう。その際の心の持ち方としては、逆境は成長の最大のチャンス、厳しい局面こそチャンスだと心得て、むしろ感謝して、頑張ることだ。難しい仕事、いやな仕事こそ自分が成長する糧となると受け止めたい。

最後に、身近な人を笑顔にする生き方を心掛けることを勧める。家族をはじめ近しい人と接する際の心得としては、相手を笑顔にするべく行動すること。どうしたらみんなが幸せになれるか。自分に何ができるのか。そうした行動基準がお薦めだ。

年に当たって若干のアドバイスを披歴した次第。多少先輩である故をもってご容赦願いたい。

皆さんにとっての、今年目指すところの目標が見事成就することを祈念している。本誌スタッフ一同最良の同伴者たるべく決意を新たにしている。

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